Translated by Dan Sherer, Chris Bovberg, and Kaitlin Forgash
The Teikin Ôrai is a Muromachi (1333-1573) period collection of fictional letters intended to serve as an example for students studying phrases, seasonality, terms, and calligraphy.
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This is a new year’s event, and is one of the 年中行事 (nenjūgyōji) celebrations. ↩
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Small bow generally made with small bamboo or similar wood. ↩
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A type of mounted archery (yabusame). It is uncertain whether this refers to shooting at a target from 9 (or three) shaku away, three sets of three targets, or the targets being of three shaku in height (90 centimeters) ↩
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左衛門尉 Third-level manager of the 左衛門府 (saemonfu), left gate guard headquarters/office. ↩
Original Text 原文
春始御悦、向貴方先祝申候畢、富貴万福、猶以幸甚々々、抑歳初朝拝者、以朔日元三之次、急可申之処、被駈催人々子日遊之間、乍思延引、似谷鶯忘檐花、薗小蝶遊日影、頗背本意候畢、将又、楊弓、雀小弓勝負、笠懸、小串之会、草鹿、円物遊、三々九手夾、八的等曲節、近日打続、経営之、尋常射手、馳挽達者、少々有御誘引、思食立給者、本望也、心事難尽、為期参会之次、委不能腐毫、恐々謹言、
正月五日 左衛門尉藤原
謹上 石見守殿
正月状
春の始めの
正月五日
Modern 現代語訳
正月の手紙(往き)
一年の始めの喜び、あなたさまに向かって、まずお祝い申し上げます。あなたが富み栄えているようですので、非常に目出度いです。本来、年の始めの挨拶は、正月一日のチャンスに、早く参るべきですが、色々な人の子の日の遊びに誘われて、思っていながら遅延してしまいました。谷の鶯が檐の花(一番いい所)を忘れ、蝶々が日陰にいることに似ています。非常に本心に背くことになりました。さらにまた、楊弓、雀小弓の勝負、笠懸、小串の会、草鹿、円物の遊び、三々九の手夾、八的の遊びなどいろいろな技術を披露する会を、最近連続で開催しています。もし、あなた様が上手な射手、馬に乗って弓を引く名人をお誘いになってお出でになる気になれば、うれしく思います。私の気持は(手紙では)伝え難いです。次回お目にかかる機会を期待します。委しくは、私の拙い手紙では書けません。恐れ入りながら申し上げます。
正月五日 左衛門尉藤原
謹上 石見守殿